2012年9月30日日曜日

夏、往ぬ’12

友達?いやバイト先のセンパイ?クバユータの磔磔単独公演がゆうべ終わった。そのバンドでギター弾いてんか~、と誘われてスタジオ入り始めたのが7月下旬、振り返るとあっちゅう間だった。

フタを開けるまで誰も予想できんかったくらいの大盛況、大成功でした。最終的に200人を超えるお客さんが来場したらしい。どうもありがとうございました。演出上、バンドは開場から開演までの間、ずっと屋根裏の楽屋でじっとしてて、開演の合図と共に階段を降りてみたら、見たことない景色が広がっていた。客席にテーブル出してたのが唯一の失策かと思える程の客入り。

一般に名の知られてないミュージシャンがそこそこの大バコでワンマンをやるってのは、本当にきわどい綱渡り。単に音楽のことだけ考えてればオッケーってもんではないと思う。実際、首謀者クバっちを筆頭に色んな人たちが、ポスターやチケットをデザインしたりそれを刷ったり、物販CD作ったり、お客さん呼んだりと、みんなで神輿を持ち上げる感じ。自分はマジで友達が少ないのでエレキギターで彩りを…、とか。過剰な美化です。

ライブの出来も良かった。ちょっとしたミスは暖かく受け入れられて、緊張が解れる良いキッカケになった。個人的にはスタジオで重ねたどのセッションよりもテンション高く演奏出来たし、鳴ってる音も良かったと思う。構成ド忘れとか、少し心配やったけどそれもなかった。ギターボーカルとの音の被さりを懸念して自分のギターはちょっと控えめの音で鳴らしてたけど、PAさんが上手くやってくれてるはず。終演後自分に声を掛けてくれた何人かのお客さんに褒めてもらえて嬉しい。ちょっとだけ顔見知りだった高校生の男の子に、ギター教えて下さいとまで言ってもらったことは特に感無量。エレキ冥利に尽きます。

ゲストで参加したバイオリン奏者のエリカさん、サックス奏者の登さんは圧巻のひとこと。プロっちゅうのはこういうことやって感じ。1~2回のセッションで曲のエッセンス抽出して完璧なパッケージにしてしまうという…。楽器そのものから鳴ってるで~って感じの音にサブイボ出た。

いい夜でした。サッチ・ア・ナイトでした。ふと誘ってもらってほんまに良かった。搬出したりその後もちょっとお酒飲んだりして4時くらいに家に帰宅、よしだたくろうの「祭りのあと」をちっちゃい音で流しながら、長引いた2012年の夏を葬ってやりました。

で、明日から10月。忘れてたわけではないけど、作曲家クラブの第4回品評会が7日の日曜日に迫っている。さすがに今回は曲調もコード進行も小ネタも何も準備出来てない。ていうかお題の「ブラックバード」って曲もまともに聴いてない。でも一週間しかないなら無いなりに何とかする、という企画なので何とかせんと。

2012年9月18日火曜日

どっかん(ここは退屈迎えに来て)

大阪の南の外れにある実家に帰りしな、難波のジュンク堂で山内マリコ「ここは退屈迎えに来て」という単行本を買った。 ちょっと前、ツイッター上で誰かがリツイートしてるのを見かけて、何か思うところあったのかそれを覚えていて、1ページ目の始まりが良かったのですぐにレジに持って行った。南海電車で読み始めて、郊外の実家に向かう状況とも相まって大いにハマった。

郊外の町を舞台にした8つの物語が入っていて、舞台となる町や登場人物などの設定がそれぞれの物語に絶妙に連続している。何でもやれそうな気がした10代があっちゅう間に終わってしまって、なんとなくウダウダしてる間に20代後半に突入、自分には出来ないことの方が沢山あるってことや、あんなに忌み嫌っていた画一的な生活スタイルが今の自分にとって快適なものになっていることに気付いてしまった、もう若くはない若者たちが描かれている。自分とおなじ。

一冊を通して、椎名君という登場人物の扱い方が秀逸で、めちゃめちゃ切ない思いを何度もさせられた。ほとんどの物語に椎名君は登場するが、あくまで彼は登場人物として存在し、それぞれの物語、時系列の中で、それぞれの主人公との関係性の中で現われる。主人公目線で描かれたそれぞれの物語を読み進めていくと突然、全く別の文脈に放り込まれた椎名君が現われるという…。このやり方に何度もくらっとさせられた。もしこの小説が、椎名君の時系列に沿った「椎名君の物語」だったら、ありがちな都落ち小説だった。複数の異なる視点から描かれた「椎名君」はこんなに切ない。

実家へ向かう南海電車と、実家から京都へ帰る南海電車~阪急電車で読み終わるくらい軽い文体で書かれていて、めっちゃ読みやすい。現代の文学に殆ど触れたことのない自分にとって、3.11やツイッター、フェイスブックなんかが登場するところも一々新鮮に映った。

あと、映画「サウダーヂ」を観た時にも思ったけど、アンチ画一化!fuckファスト風土!とか頭で唱えながらも、ロードサイドに暮らす当事者たちが、そのライフスタイルを享受し、なんだかええ感じに暮らしているということ(のヤバさ?あるいは希望?)、引き続き。
そう、サウダーヂの後で読んだ思想地図(ショッピングモーライゼーションが入ってる号)でも、東さんがショッピングモールに見出していた許容性だとかに、ほんの少しうなずいてしまった自分もいたのだった。

いまバイト先で本が手元にないけど、他にも現代の文体ならではのハッとする描写がいっぱいあった。普段小説といえば、現実から逃げられるように明治~大正くらいのものを何となく読んでいたけど、同時代の小説って案外面白いのかも~と思った。

p.s.
実家で仏壇まわりを掃除していたら、こんなカメラが出てきた。
無骨な一眼レフでも愛らしいハーフサイズでもなく、80年代てんこ盛りのフルオートコンパクト。

2周まわってかっこいい
フルオートでゲイジツ性を微塵も感じさせず、右下に日付なんかが入っちゃって、ちょっと暗くなったらすぐストロボ使わされるようなカメラって素敵やな~、と思っていたので、箱付きがひょっこり出てきてくれて嬉しい。コニカのC35 MFDというモデルで、長らく続いたC35シリーズの国内最終モデルらしい。おじいちゃんはコニカのことを小西六と言っていた。

京都に帰って単三電池と35ミリフィルムを入れてみると見事にオートで巻き上げやがった。すごい。ただし、重要な要素である日付焼付け部分の電源は単三電池ではなく、裏蓋に隠されたリチウムボタン電池らしく(ネット調べ)、それを交換しないことには例の86' 9 18っていうデートは表示されない。BR2320っていう電池はとっくに生産終了、互換性のあるCR2320は辛うじてネット通販で海外製を購入可能とのこと。36枚撮りのフィルム入れてしまったので、チャッチャと撮り切ってボタン電池を交換したく思います。ちなみに取扱説明書によると、オートデートの設定で2019年まで表示出来るそう。

2012年9月3日月曜日

第三回作曲家クラブ

なんとかまにおうた

土曜日深夜2時半~4時半でスタジオ行って、バッキングを流し込んでおいた小さいMTRの空きトラックに歌声を入れる。MTRは4トラックなので、ソングをふたつ分作っておいて、ソング1に3テイク分の歌、ソング2に3テイク分のコーラスを録音した。キーが低いけどギターを優先して録音済ませてしまったから今更どうにもならずそのまま歌う。

帰ったら録音した歌計6トラックぶんをSONARに流し込む。WAVファイルを読み込ませるとかではなく、文字通りMTRのラインアウトからオーディオインターフェイスにケーブル接続してDAWに流し込んで録音、各トラックの先頭に入れておいたクリックの波形を見ながらDAW上のオケとのタイミングを合わせる、というやり方。すんごいノイズ!

ヘタクソな歌の中からマシな部分たちを繋ぎ合わせてボーカルトラック、コーラストラック2トラックにまとめる。ほんで毎度お馴染みダブリング。この時点で余裕で朝に。イントロ、アウトロ、ソロが全く空白で残っている。イントロアウトロは大体毎度後回しにして発表当日の朝に手を付けることになるから、大体毎度酷く手抜きになってしまう。今回も然り。

で、もう11時回っていたので全15トラックの音量だとかエフェクトだとかを確認していって、書き出し~サウンドクラウドにアップロード。終わり!



そうそう、1番Bメロの歌詞が土曜の夜の時点で出来てなくて、神にも祈る思いでスタジオまでの時間を過ごしていたら、なんとか思い浮かんだ。毎度思うけど、こんな歌詞の書き方はバンドとか自分のライブで歌う曲だと恐ろしくて絶対出来ない。録音から1日経った今、推敲を重ねて書かれた歌詞と直前に書いた歌詞とが共存するこの歌を聴いて、自分自身どちらがどうとか特になくて驚く。案外こんなものなんか?

作曲家クラブ、メンバーそれぞれの力の入れどころがあって面白い。元々は曲作り(とくに歌詞)の遅い自分に何らかの刺激になったらええなと思って、友達を誘って始まった企画やから、自分の場合は動機のド真ん中に自分にとっての歌がある。今回のテーマにしても、自分が通ってないジャンルの音の中で何を歌うんか?みたいなところが大きくあった。ロックバンドがブルース進行の中で酒や女の事を歌う、なんてのは別にどうってことないんである。

「飛・び・た・い」これは深夜徘徊をオブラートに、アマニタ・パンセリナだとかを読み耽った真剣10代の頃の純粋な気持ちを歌にしたもの。こういう気持を恥ずかしがったり「イタいわ~」とか言いながらオトナになっちまって、そのくせ酒に酔っぱらってるこの世界そしておれに向けて歌イタい!あの気持ちウソやない!

次回のお題は「ビートルズのブラックバードっぽい曲」となりました。
ジャンルじゃないお題は初。一見具体的なようで、非常に難しい気がする。ブラックバードは昨日初めて聴いたけど、何をもってブラックバードっぽくしたらええのか?ワカラン。

2012年9月1日土曜日

第三回作曲家クラブ迫る

いま締め切り16時間前。こんなときにバイトなんである。

なす術ないので、現状をば

今回の曲にQY70ねじ込むの諦めた。パターン選んでコード進行入力して演奏させてみたものの、ダメダメな感じやった。少なくともプリセット使わずに打ち込めるようになってから曲に使うべきと判断。大英断。その判断が随分遅くなってしまって、実際にDAWを立ち上げたのが昨日の夜。いつもの感じやないか…。QY70がなんとかしてくれるってずっと思ってたなァ

結局四つ打ちのリズムだけQY70のプリセットから借りてきて、SONARに流し込んで2小節くらいのループにした。非道い!QY70殺し!フィルとかハンドクラップとかはZOOMの謎のリズムマシンから借りてきてループ素材に。

次にメインで鳴ってるエレキギターのカッティング。いつも通りギターで曲を作っていたから、その時に思い浮かんだフレーズをそのまま録音。サクサク進む。

次、ベース。超厄介。家にあるエレキベースはポジションによって音の大きさが全然違う。おまけに1弦はめちゃくちゃ音ちっちゃい。そして12フレットの弦高が1センチぐらいある。さらにオクターブ調整やってもやってもフレット押さえたら半音近くシャープする。あと勝手にペグが回って1曲持たずにチューニングが下がる。こんなじゃじゃ馬ですがちっとも可愛くないです。しかしながらQY70でのベース打ち込みを諦めたので、これを弾かねばなるまい。

開放弦を使わないと決めて、弦ごとにチューニングをずらしてそれぞれの調弦の落としどころを探る。ベース用のプリアンプとかシミュレーター持ってないので、ギター用PODに繋いでそれっぽい音を探す。フェンダー系のギターアンプにオートワウをかましたらそれっぽくなった。ベースライン考えたりしながら、ワンコーラス録ったら再びチューニングして。ベース録るだけでえらい時間掛かってしまった。

ここまででドラム関連の素材3トラック、ギターのカッティング1トラック、ベース1トラックの計5トラック。時刻は明け方、何回も繰り返して聞いてるから次第に良くなってきて(いつものアレや)寝る。

正午、目覚めるもディスコとは何であったかを考えないままに寝てしまったことを思い出して寝覚めが悪い。時間ない。事前リサーチでストリングスが多用されてた事を思い出し、マイクロコルグのプリセットを漁る。ずばりストリングスっていう名前の音があった。アカンアカンと思いつつも、焦りやらなんやらで取りあえずデフォルトの音から1オクターブ下げといたらバレへんか、と意味不明な小細工をする。思い浮かんだフレーズをササっと弾けたらええけど、鍵盤全く弾けないので、まずは曲に合わせてそつなく弾く練習から。また時間かかる。正直ストリングスは音楽的判断よりも、「ディスコにはストリングスが多用されてた」っていう言語的感覚で無理矢理取り入れたもの。フレーズのセンスもないから実にダサい。しょうがないねぇ。結局Bメロだけストリングス入れて他のとこはやめとく。Aメロにはウーリッツァーの音で軽やかな感じのバッキングを入れておいた。下手やのに音色だけでええ感じになる。

あとはソロ手前の導入部分でディストーションっぽいギターがR&Rの5度6度のリフを刻むという超画期的アイダアを録音する。自分がディスコ知らんだけで絶対誰かやってるでしょってくらいの秀逸なめぐり合い。

これにて大体のパートが出揃って、細かいとこいじったりしてたらバイトの時間に。

このあと

そう歌を録音していない。ていうか1番のBメロ部分の歌詞が出来てない。さっき大宮246の個人練を予約した。ちっこい4トラックMTRの4トラック目に、バッキングを流し込んで持って来ている。スタジオは26時半から。それまでに出来てないとハハハァーンて歌うことになってしまう。

帰ったら未着手のイントロとアウトロ。
あとソロ部分。もうエレキギターでええか。
明日陽が昇って元気ならボンゴとシェイカーを録音したい。
とにかく歌詞はよ!有線うっさいわ!