今日の18時から、毎月恒例作曲家クラブの第5回発表会がある。
前回発表されたお題は、「“へい”で始まるサビで始まる曲」だった。会長の出すお題は毎度予想がつかない。
で、今回も何とか曲を完成させた。なんだかんだで毎回提出出来ているっていうのは、(そもそも曲がちっとも出来ないからこの集いをやり始めた)自分的には世界の不思議のひとつといえる。
初っ端からアレですが、今回は失格になってしまう恐れあり。いや、確実に失格かなぁ。これまでのお題は「グラム」「ブガルー」「80'sディスコ」「ブラックバードっぽい曲」だった。これらのお題に共通するのは、全て「ジャンル」や「○○っぽさ」であり、曖昧模糊としたそれら呼称が意味する何ものかを、クラブのメンバー各々が独自に解釈し、「音」に注入して再現前させる、という試みであった。
だがしかし、今回のお題は『「“へい”(という歌詞)で始まる」「サビで始まる」曲』である。「サビ」の何たるかには解釈の余地が残されているが、“へい”に解釈の余地はない。逆に言ってしまうなら、“へい”で歌いだす曲でさえあれば、(それがサビだと主張することで)条件は簡単に満たせる。さてどうしたものか…以下、ふんとう記
元々発表会は11月11日に予定されていたが、先月末の時点で都合の付かないメンバーが出てしまって、11月25日に延期になることが決定していた。じゃあじっくり作るかというとそうはならない。これも不思議のひとつ。一乗寺での弾き語りが終わった11月上旬、ちょっと風邪で参っていたとはいえ、今回のお題に向けてギターを弾くことは出来たし、何となくギター触ってるときも頭の片隅に「へい」って文字は浮かんでいた。にもかかわらず。
うっすら感じていることを書くと、締め切りが設定されていて、さらにその締め切りが目前に迫っている時(今回なら11月19日から今日までの一週間くらい)、ようやく自分は特殊な(あるいは曲作りにおいて一般的な)状況に入っていたと言えるのではないか?と思う。今回の曲で弾いているギターリフやメロディ、コード進行や転調、実際に録り終えた今、やっぱりかっこよいと思うし、色々な閃きがあってよかった~やってよかった~と思うけど、締め切りも何もない環境でこれらの要素が断片的なアイデアとして降ってきても、自分は見過ごしてたんじゃないかと。見逃し三振でこれまでずっと「曲が出来へん出来へん」って言ってきてたんじゃないかと。そして自分は締め切り直前の、ハイでぐちゃぐちゃな生活が結構好きなんじゃないかと。
とにかく、ものづくりハイな時間に突入したのは11月19日の月曜日だった。当然“ヘイ”がなけりゃ失格間違いナシなので、頭の中で「ヘイ!」とか「へぇーぃ」とか言いながらギターを弾いていたと思う。その時書いてたアイデア帳のページを今あらためて開いててみると、、
“
It's My Cycle”←曲名
“
ジョーンジェットのブラックレザーのリフでラップ”←アイデア
“へい店長(Yes Yes Y'all) ねぇ店長(Yes Yes Y'all) ダイナモ取っ払ってよー〔ここまでマイナー/こっからメジャ-〕そしたら最高 もう最高 My Cycle It's 最高”←サビと思われる部分の歌詞
などと書いてあり脱力した。ママチャリからダイナモ取っ払ったくらいでそんなに最高かよ?自分で外せよ!ヒップホップはあまり知らない。スチャダラパーとかで聴こえてくる景気のいいあの掛け声は一体何?と思って「イエッセッショー」って検索して「Yes Yes Y'all」に辿り着くぐらい無知。そしてそれを臆面も無く使ってしまえるほど無垢。こんなことを真剣にやってたんか自分。日曜日の自分から見ても先週月曜の自分はまともじゃないぜぇと思う。悪くないぜぇ。
そんな調子の月曜日だったが、ギターを触っているうちになんだかいい具合のリフに巡り合ってしまう。ローコードのEがジャーンと鳴る、タフな感じのリフ。あぁ、こういうの好きやったなぁと思いながらしばらく繰り返し弾いていると、いかにもって感じのAメロへの展開が湧いてきた。E→Bm(D)→Aと一回やって、すぐメインリフE→D→Aに戻る。うわぁクレイジーホースみたい、最高や。まぁ「へい」の方は肝心のサビ出来てるし置いといて、と欲をかいてさらなる展開を考える。
うわ、いいのが出た。C→G→Dという、「ヘイジョー」っていう歌などに顕著な、所謂5度進行。タフな曲調にぴったりはまる。C→G→DときてAに行けば、E→D→Aのメインリフとケツが揃って気持ちE!だけども紋切り型じゃなく、歪でも変でも、自分がびっくりするような展開にしたい。欲張るなぁ。で、C→G→Dの次、ここでF#7!!!メロウネス!!!ここでDキーになる!!!これやっばい。このF#7の閃きで「It's My Cycle」を放置することが決まってしまった。タフとメロウの共存は可能か?いやー無理っぽいな、とかずーっと思っていたので、こんな感じで尻尾を掴んで幸せな気分になる。
となると、折角なのでこのまま体よくDキーの一塊に持って行きたい。この時点ではBメロはC→G→D→F#なので、Bm→Aとか気持ちいい。が、再び欲をかいてちょっと歪な展開でドタバタとサビに突っ込んでやりたいと思う。あれこれ弾いて、C G /D F# /G A# C /っていう3小節のBメロに落ち着く。歪~
ほんじゃぁサビだ、ってことで考える。ここらへんでDキーの本拠地Dがジャーンと鳴った方が気持ち良さそうなので、自ずとD始まりの展開を考える。オープンコードのDで始まってェ、Dの指のカタチを残したままベース音が下がっていってェ、という感じで。ここで単純にD→C#→Bとかやっちゃうともったいない。ので、D→C#→C→B→A#という半音下りをメロディと一緒に閃く。
続きをどうしよう。グラムロックが好きになって以来、アイデア一発勝負の、ややこしいコードを使わない、理論に裏打ちされていない転調が大好きで、いつか自分でもやってみたいと常々思っていた。一発目の転調(この曲だとEキー→Dキー)はちょくちょく思いついても、転調先のキーから元のキーに戻る術が見つからず、結局完成しないパターンが多い。今回も嫌な予感がした。しかもE→Dの(D→Eの)転調なんて多分聞いたことない。聴きもらしはあると思うけど。
解説の途中ですが18時にバイト終わり次第発表会へ直行するので、そろそろサウンドクラウドにプライベートで上げておいた音源をパブリックに変更したりリンク貼ったりせないかんので終わります。続きもちゃんと書こう。
とりあえず曲、投下完了!
――翌日――
さて発表会も終わり月曜日、朝から雨降り。雨乞いの効果テキメン
昨日途中でぶった切ってしまったので続きを。
この曲の構成を端的にまとめると、、
【A】
E Bm /A /E D A /E D A /
【B】
C G /D F#7 /G A# C /
【C】
D A /C G /A# E7 /
A F#7 /Bm A7 /E
という感じ。コードの名前がわからないのでシンプルに書いてるけど、このまま弾いてもちゃんと歌えるはず。目出度くDキーからEキーに戻ってこれた。どうでもええ人にはほんまにどうでもええことやけど、すんごく嬉しいです。
それでは録音編へ